<ネタバレ>「メロドラマ」と宣伝しているが内容はそんな甘い話ではないので .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>「メロドラマ」と宣伝しているが内容はそんな甘い話ではないので、それを期待していくとがっかりすることになるかもしれない。1957年という時代設定の背景を知れば、この黒人差別が決して誇張されたものではないと分かる。主人公・キャシーが楽園から去る(追われるように)この話にはまるで救いがない。リベラルで正しい彼女にはあまりにも冷たくて暗い描き方で、気持ちは沈み込むかも知れない。それでも素晴らしいと思うのは、J・ムーアや黒人俳優・D・ヘイスバードの抑えた演技が素晴らしいこと、心理劇でもあるこの地味な話に深く考えさせられるものがあること。オープニングから何度も出てくる鮮やかな紅葉は、彼女のいる楽園を象徴するかのようで本当に美しい。それがラストは茶色い街の色彩の中、彼女の車が去っていく。でも上からのカメラが引くと白い花の咲いた枝が映る。(最初と最後の上空俯瞰は神の目のよう)これが唯一、彼女の前途にある一筋の希望の印のように思えた。[良:1票]