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<ネタバレ>マイケル・マン監督のジョニー・デップによるジョン・デリジャー映画は間違いないだろうと多大な期待を膨らませて観ました。確かに2時間20分は全く飽きずにスクリーンに集中出来ましたし、ジョニー・デップのデリンジャーは大変に魅力的なキャラとして写されています。そして冒頭も含め何度もある激しい銃撃戦は『ヒート』を彷彿とさせてかっこいい・・これだけでOKとも言いたくなります・・が・・何だろうなぁ、諸々面白い要素があるのにどうしてもあと一歩のれなかったのも確か。それは監督がインタビューで『人物の内面から描きたかった』と語ってはいますが、そこがいまひとつ伝わりきれてないように思えました。マイケル・マン監督の持ち味のドライな演出がそこの部分を描くには邪魔してる感じがしました(でも、そのドライさが好きでもあるのでなかなか複雑)。人間ジョン・デリンジャーがよく分からないままなので、後半の悲壮な逃走劇も気持ちが入り込めず、ただ『起こっている出来事』として観てしまいました。でもなぁラストでデリンジャーが撃たれた後の淡々とした演出とかはかなり好きなんですよね・・ドライとウェットのバランスがいまひとつ取れてなかった為に面白いけど惜しい映画という印象になりました。ジョニー・デップのデリンジャーは相当いいので願わくば、ギャング稼業を始めた時から死までの長編一代記として観たかったです。