もしも過去を変えることが出来るのなら、あるいはあらかじめ未来 .. >(続きを読む)[良:2票]
もしも過去を変えることが出来るのなら、あるいはあらかじめ未来が分かるのならというのは大好きなSF的テーマのひとつ。そこで、そんな夢をかなえてくれるのが、時空を自由に超えることが出来るタイムマシンという魔法の装置。監督は原作のH・G・ウェルズの曾孫に当たるらしく、本作が初メガホンという。平坦な演出と説明不足な展開はこれからの課題としたいが、オリジナル版に敬意を払った仕上がりには好感が持てる。映像とセット美術は申し分ない。期待に応えてのマネキン人形の衣装替えに、加速度的に変化するコクピットから望む眺望。そして何より、42年ぶりにリニューアルされたタイムマシンのゴージャス感溢れる魅力的なデザイン。基本的なコンセプトを継承しつつ、パーツひとつひとつが手作り感に満ち溢れており期待どうりの近未来型となっている。このニュータイムマシンを拝見出来ただけでも及第点を与えたくもなります。世間の評価は決して高くはありませんが、オリジナル版に敬意を表した作風とニュータイムマシンに、ちょっと甘いが8点を差し上げます。《ネタバレ》ところでラストなんですが、主人公アレクサンダーは婚約者を救うべく執念の産物ともいえるタイムマシンに見切りを付けます。変えられない過去に執着するよりも、今現在をそして未来に向けて生きることの方が大事なんだと、タイムトラベルを通じて悟ったわけなんですよね。このあたり、作り手の説明不足もあり観客に上手く伝わらなかったのがちょっと残念。[良:2票]