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ローマ史実に忠実かどうかはさて於いて、本作はラッセル・クロウ演じる勇敢で人望のある剣闘士マキシマスの復讐劇を重厚なタッチで描いている。しかも、時折現れる心象風景がマキシマスの悲哀と運命を感じさせ、格調高い作風に押し上げていた。まさに、アカデミー賞受賞の名にふさわしい見応え充分の作品と言えるだろう。やはり最大の見せ場は、CGを駆使したオープニングとコロシアムでの戦闘シーン。リアリティ溢れる迫力満点な描写力は、さすが映像には偉才振りを発揮するリドリー・スコットという感じだ。また、皇帝コモドゥスを演じたホアキン・フェニックスの陰湿だが印象に残る好演が、この復讐劇を大きく盛り上げていた。