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<ネタバレ>良くこの題材を選んだな…と言う感じですね。製作国や時代設定が置き換えている事で若干の脚色が施されていますが、実話が元なだけにリアルで恐怖を誘う映画でした。実験の過程が淡々と描かれ、人間の持つ心理状況が刻々と変化する様子は思わず息を呑みます。…ただ、恋人を登場させるのは架空人物だと浮き彫りになってしまい、リアリティに欠けるので不要。それに、囚人役の暴動と反乱で終わるラストは完全に設定が独立して、それまでのリアルな状況とかけ離れて醒める。実験を行う場所に拳銃はあり得ません。これを見ると、実際はどうだったのか…と言う方に興味を持ってしまう。実際では被験者(学生)には実験だと言う事を隠し単なるシュミレートと模して行ったそうで、映画のように実験だと分かった上で行われるものと、そうでないのとでは被験者の意識の違いが微妙に異なるでしょうから、映画は映画でそれなりに良かったとは思う。もしも同じような実験を日本で行ったとしても同じような結果になったのかは分からず…、これを引っ括めて全てに当てはまるかは疑問。(そういう意味で→)イラク人捕虜に対する虐待問題などを見る限り、“人間”と言うよりもアメリカ人がバカなんだ…とヘンに納得。あれだけ知られているこの監獄実験を映画化したと言うだけでレーゾンデートルを評価したい作品。