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<ネタバレ>観賞魚を飼育している者としては当然、過度な感情移入をもって観てしまう作品。副題があるとするならば「ファイディング・ニモ ~マーリンの大冒険~」と言う感じでしょうか。可愛いニモの登場と活躍が、父魚・マーリンから比較して少ないのは何より残念。ただ、生体の動きがあれだけ誇張しているにも関わらず忠実に描写しており、デフォルメしての動作も実にユニークで…、良くあれだけ動きが限定される魚をここまで擬人化したなァ…と、改めてピクサーの技術力・表現力とも感心してしまいました。実は日本アニメでも魚を擬人化した作品が過去にもあり、個人的にはそんな大好きな海の世界がこれだけの巧みなCG技術によって表現される事に何より感動。唯一、ニモのキャラクター構成で、敵役が人間だけ…と言う配置はもう少し工夫が欲しい所でしょうか。更に水槽からの脱出法からラストまで案外すんなり終わってしまい、全体的なストーリー構成から言うと弱い印象は拭えません。ちなみに、ニモの右ヒレに障害があるも“幸運のヒレ”と言う呼び方が良いですね。右ヒレが小さいのはバラクーダに襲われた時に卵にできた傷なんだよ…と、言葉を使わずに映像だけで表現するのは実に素晴らしい。ドリーの記憶障害、ギルの傷付いた右ヒレと合わせると、少なからず本作のメッセージ性は読み取れる。そんな障害も、親が実際に思っている程子供は苦に思っていないもの。母魚・コーラルの死の先にある息子に対する思いと行き過ぎた過保護の子供への対象は良く描かれています。とにかく、ニモのこの可愛さは尋常ではありません(笑)。ちなみに、これを観て感化されたお子様が、観賞魚をご自宅のトイレへと流すのではないか…と、ちょっと心配です(苦笑)。