地球上のある一瞬を切り取り、5本のエピソードをオムニバスで見 .. >(続きを読む)
地球上のある一瞬を切り取り、5本のエピソードをオムニバスで見せる。
共通点はタクシー。ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキという5都市で、それぞれのタクシードライバーが客を乗せては降ろす。同時に起こっている設定だが時差があるから、夜10時のロスから始まり夜が深けていき、朝5時のヘルシンキは空が白んでくる。ドライバーも客も、それぞれの真夜中と夜明けを迎える。何だか地球の自転を感じたりする。地球って、時計の短針が2周してる間に1回転するんだなーなんて。
タクシー運転手は自分独りの職場を転がして、夜の街をその箱の中に切り取り、見ず知らずの人間を取り込んで交わり、二度と会わない者として吐き出す。考えてみるとかなり不思議な空間だ。
5本のエピソードはそれぞれ見ても見なくてもどうでもいいような話なんだけど、どれも可愛らしく愛おしい。知らない者同士だから価値観の違いがあるのは当たり前。それでも二度と会わない数分間の関係だから別にいい。へーって言って流せる感じ。ドリフの大爆笑のコントみたい。