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<ネタバレ>とんでもない扉を開けてしまった気分。タイムパラドックスという鳥かごから無限に出られない一人の人間による無限ループな人生。名も無きバーテンダーは何のために生きているのか。少なくとも自分の為に生きている瞬間は無さそうだ。一人の爆弾魔を追うことだけを目的としている。天職というかそれしか出来ないと言っている。その行動が自分を生み出し、自分を滅ぼそうとしている事に気づいたのはいつなんだろう。殺したいほど憎んだ男が自分だったらと知った瞬間、過去の自分の顔を見た瞬間、そんな顔をしていたのか、とても綺麗だと思った瞬間。これだけがこの人生で幸せを感じることの出来た瞬間だったんだろうな。繰り返される無限ループの中で、毎回一回ずつくらい幸福な瞬間が増えていくのだろうか。何ともタフな宿命を背負わされたもんだ。何度か見返すべき作品として、とんでもない大作であることは間違いない。それでも当時は全く話題にならなかった。クリストファー・ノーランやリドリー・スコットだったら違ったんでしょう、宣伝効果が違うから。ちょうどその年のクリストファーはインタステラーだったか。そんな訳で陰に隠れた秀作になってしまったが、一度見たら見る側も無限ループの世界へ導かれてしまう。とんでもない作品でした。[良:3票]