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<ネタバレ>ショッキングピンクのジャケットを着こなしキャデラックに乗り込む主人公サムは見るからに成功者。そして「信頼を重要視する」という自らのポリシーを発表した瞬間、爆炎で宙に舞う。これが本編を観る前の仕掛けになっていた。
些細な犯罪歴はあるものの、登場人物の中では唯一ギリギリセーフな男が、徹底した管理手腕を生かし、ギラギラに登りつめていくわけだが、ラストはああなっちゃうんだなと。悪女ジンジャーとの出会いから始まり、狂犬ニッキーとの腐れ縁、使えない従業員解雇、表向きの社長グリーンが訴えられ、ニッキーの素行の悪さからFBIが躍起になる。全ての出来事が数珠つながりとなってサムを追い込んでいく。
で、冒頭のシーンを裏切るように、ギリギリセーフなサムは奇跡的に助かり、アウトな人間たちは自滅していく。因果応報な実話は、スコセッシ監督らしい題材。
デニーロ、ジョーぺシ、シャロンストーン、「信頼」とは真逆の三人を演じたそれぞれが素晴らしい演技だった。