園子温の映画はあまり観たことがないんだけど、この監督の映画は .. >(続きを読む)
園子温の映画はあまり観たことがないんだけど、この監督の映画は通常の「映画」の基準で語り、評価してもあまり意味がないし、楽しめないと思う。「こんなの映画じゃない!」という批判は聞いてもらえないでしょうね。野球を観ながら「こんなのサッカーじゃない!」って言っちゃうような感じです。カフカの「城」は読んだことがないので分かりませんが、個人的には安部公房の小説のような世界観( 短編小説「鞄」など )を思い出して、面白かったです。頭が働かなくなるくらいの言葉の羅列で圧倒され、逆に言葉ではできない表現をしようとしているように感じました(物騒な言い方をすると、洗脳に近いかも)。最初は禍々しいシーンから始まり、目をそらしたくなるような映像が続きますが、最後のほうはまるで不思議の世界に迷い込んだよう。逆に笑ってしまいました。おそらく園監督は通常のエンターテイメント映画を撮らせても、一級の作品を作る実力は十分あると思いますが、それでもなお独自の世界観に引きずり込もうとする危険な雰囲気にハマってしまいそうで怖くなります。