この「牙狼」シリーズは、TVシリーズ1作目からすべて見ていま .. >(続きを読む)
この「牙狼」シリーズは、TVシリーズ1作目からすべて見ています。派手なアクションやデザインのかっこよさ、CGなど、見所は沢山ある作品だと思います。
個人的に、リーズ全体から感じる魅力は、これが「芸術賛美」になっている作品だというところです。「主人公のピンチを、ヒロインの描いた絵が救う」などなど、「芸術や、それを作り出した人々の思いが大きな力になる」という魅力的なメッセージが込められています。
シリーズ全体を通して「芸術賛美」を訴えている特撮ヒーローものって他にあるんでしょうか?
・・・・・・・・・・しかし!良いと思う点はここまで。
この作品に込められた「思い」は大変素晴らしいものだと思いますが、「思い」だけが強すぎて、作品としてそれがまったく「形」になっていません。この「蒼哭ノ魔竜」は良い点と悪い点が両方とも露骨に現れてしまった作品だと思います。
まず世界観。ポスターを見たときは「このファンタジーな世界観で戦うのかぁ」とちょっと期待しましたが、実際は大違い。あくまで書き割りの「背景」でしかない。世界観が物語に全く影響を与えていないんです。違うデザインの背景に差し替えても、この物語は成立してしまいます。ファンタジー映画なのに、「代替え可能な世界観」に一体何の価値があるのか?
アクションも、広い空間を縦横無尽に動き回っているハズの内容ですが、狭い合成用スタジオで撮影しているのが素人でも分かる窮屈なアクションになっています。「とりあえず撮影して、あとはCGでなんとかしよう」という姿勢にしか感じられませんでした。行き当たりばったりの場面変化でなんとかしようとしてる感じ。
総じてストーリーテリングがヘタクソ過ぎました。
主人公・冴島鋼牙の物語はこれで完結とのこと。どうせまたすぐ復活するのは目に見えているので、その時にまた今回のような出来の作品を作っていたら、それこそ「終わり」だと思います。 ファンだからこそちょっとキツメの評価でした。