<ネタバレ>薬の副作用だけではなく、事件から派生する様々な「サイドエフェ .. >(続きを読む)
<ネタバレ>薬の副作用だけではなく、事件から派生する様々な「サイドエフェクト」に翻弄される2時間でした。
見終わった後にこのサイトを見てから「そういやヒッチコックでしたわネ」と気づくくらいで、見ている間は普通に夢中になって没入してしまいました。
ここ最近、「ウソつき合戦」的な映画が増えてますね。「ジャンゴ(含むタランテイーノ映画全般)」や「アルゴ」、など、「ウソ」がキャラクターたちの運命を握っているものが多く、この作品もそういうパターンになっていて、スリリングだと思いました。
それに加え、この映画は「正論というカードの奪い合い」をしているようにも見えました。「鬱病」「殺人」「不倫」「過去の失敗」「精神異常」などのネガティブなレッテルを相手に張ってしまえば、あとはもうこっちのもの。
自分が「正論というカード」を持っていれば、相手をコテンパンにしても構わない!社会的に抹殺されてもしょうがない、悪いのはお前だかんね、という感じで、これは怖いことだなあと。薬や犯罪とはまた違う恐ろしさがありました。
その正論カードがひとたび別の人に移れば、周囲の人間の対応までコロッと変わってしまうのも印象的でした。真犯人が捕まり、失いかけてきたものが帰ってきた、めでたしめでたしという、ありきたりな決着のハズなのに、ちっともそうは思えない結末にゾクゾクします。安部公房の小説っぽい感じもしました。