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舞台版「オペラ座の怪人」は、音楽や歌以上に「装置」の戯曲です。オペラ座の舞台に見立てたステージが、物語の進行に従ってどんどんと姿を変えていきます。目の前で「現実に」繰り広げられるそのスペクタクルには、内容以上の感銘を受けたもんです。そんな戯曲ですから、表現媒体としては映画の方が合っていると私も思います。しかし、出来上がった映画は丸っきり舞台をなぞっただけで、映画ならでは空間的広がりが全く感じられない仕上がり。しかも、舞台装置のダイナミズムは当然消失しています。クライマックスも、実際に観客の頭上を巨大なシャンデリアが滑り落ちていくスリルに比べれば、どーってことありません。元が元ですからつまらない映画ではありませんし、数々の名曲も楽しめますが、何か平凡な作品になってしまって少し残念に思いました。戸田奈津子の字幕が「ロード・オブ・ザ・リング」並に出来が良くなかったのもマイナスです、6点献上。[良:2票]