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これはマルグリット・デュラスを知らない人には薦められません。例え著作を読んだことがなくとも、彼女がいつ頃どの作品を著し、晩年どの様に暮らしていたのかを知らないと、映画が何を描いているのかさっぱり解らないでしょう。本作は観客がそれらを既に知っていることを前提とし、デュラスと愛人ヤン・アンドレアとの愛憎のディティールだけを描写することに腐心しています。創作のダイナミズムや人間デュラスに迫ることもなく、時の流れは著作のタイトルだけで表現し、短いシーンがひたすら積み重ねられていきます。デュラスを演じるのは「愛人/ラマン」同様、デュラスの盟友ジャンヌ・モロー。15歳で中国人の愛人になった少女は、66歳で38歳年下の愛人を囲う老女になる。これも因果応報か(ちょっと違うか…)、3点献上。