時系列を逆にするとは恐れ入った。斬新な試みだ。
過去に戻っ .. >(続きを読む)[良:1票]
時系列を逆にするとは恐れ入った。斬新な試みだ。
過去に戻っていくことで謎に迫っていくのは面白い。
しかも、完全に時系列が逆というのでなく、正の時系列(白黒シーン)も同時に進行し、それが最後でつながるというのは見事だ。
そして、時系列が逆というのは、とにかく、話の筋を追いにくい。おまけに、正の時系列までからんで余計にややこしい。
これを一回で見て内容を理解できる頭は私にはない。ナタリーだのドッドだのテディーだの何がしたいのか、何をやっているのか初見ではよく分からなかった。
しかし、細かい部分の理解にまで至らなくても大筋は理解できる。十分面白く、また、ラストで明かされる事実の衝撃はあった。
「今、どういう状況で、どうしてそんな状況なのか」が分からないまま2時間の映画をずっと見ることになり、なかなか疲れる。これが「記憶が保てない主人公の気持ちの疑似体験」なのだ、と言われて、なるほどな、となった。でも疲れる。
記憶できないという症状に本気でちゃんと対応したいなら、あんな短文でなく、もっと詳細を書いたメモを残せばいいと思うのだが、結果を見てみれば要は「起こったことを細かく記録する必要なんて最初からなかった」、もっと言えば「そんなまっとうな論理思考などしていなかった」というわけだ。
この難解な映画を巻き戻しのきかない映画館で見て一発で理解できる人はすごい。しかし、今はパソコンで視聴し、シークバーで好きなところに戻ってシーンを見返せる。おかげで、難解な映画も何度も見返して理解を深めることができるし、それがまた楽しかったりする。いい時代になった。
しかし、難しい映画、難解な映画というのは世間では「分からないヤツが悪い」というような風潮があって、そのためか低評価につながらないように感じる。しかし、内容が分からなければそれはやはり駄目映画だと思う。そのへんはすこし意見しておきたい。
面白い映画だった。こんな「攻めた」映画をもっと作って欲しい。[良:1票]