大映特撮陣の技術もさることながら、森田富士郎さんのカメラがと .. >(続きを読む)[良:1票]
大映特撮陣の技術もさることながら、森田富士郎さんのカメラがとにかく素晴らしいです。ロングショットの人物構図、そして大魔神構図、きまってる~。しびれたのは巫女と左馬之助の対峙シーン。巫女の向こうに銃を構えた左馬之助、ズームで寄りながらピントを銃口へ、引き金を引く瞬間、すかさず左馬之助へフォーカス送り。むむむ~。そして巫女を斬った瞬間、周りの照明を落とし巫女を浮かび上げることにより、神をも畏れぬ傲慢さ、不遜ぶりを描き、これから起こる不吉な出来事を予感させます。また大魔神を登場させるまでのじわじわした演出も、この大魔神の神格、おとなしいけど怒ると恐ろしいぞ~、といわんばかりでお見事。滝の上にたたずむ大魔神の石像を超ロングショットでとらえ、傍らまでいくとちらっと一瞬だけ大魔神を写した後、まだ見せませんよ~、とカットを割ってじらしてきます。高田美和の祈り、大魔神の無表情、これが本当のストーンフェイスですな。その無表情と憤怒の形相、そして乙女の涙、それらを含みこんだすべてが「大魔神」ですね。[良:1票]