若尾文子、若尾文子、若尾文子・・・。同性とは取っ組み合いの喧 .. >(続きを読む)[良:1票]
若尾文子、若尾文子、若尾文子・・・。同性とは取っ組み合いの喧嘩を始めてしまうのとは対称に、あの独特のややこもった声、控えめな声量は、どんな男を相手にしてもほぼ起伏することなくフィルムに刻み続けられ、若尾という原子核の回りを一定の位置エネルギーと運動エネルギーにより均衡状態を保つ電子のごとく男たちは存在し、それはコエンちゃんであろうがトモコさんであろうが変わりなく若尾は若尾、女は女としてリズムよくシーン転換していきます。不安感を静かに盛り上げる池野さんの音楽とともに迎えるラストシーン、見る者はどこか締まりの悪さを覚えながらもこの映画のタイトルを思い起こすはずです。そしてそのタイトルとやや皮肉っぽい靖国神社の描き方に川島雄三の人生観などが少し見えたりしてそれもまた楽しいのです。[良:1票]