伊藤雄之助さんは、こういう生き方が不器用でくたびれた雰囲気の .. >(続きを読む)
伊藤雄之助さんは、こういう生き方が不器用でくたびれた雰囲気のある、それでいて憎めない人物を演じさせればピッカピカです。その役柄とは対称にまばゆいばかりのスペシウムを放ちますね~。この作品では下宿先の勝気な娘(越路吹雪)にほのかな恋心を抱く中年やもめを演じておりますが、そのほのかな思いのいじらしさが実にかわいらしいです。娘の交際相手をめぐって母娘が言い争うシーンでその会話をバックに無言のままに部屋から出て行くところなどは、そのやるせなさがよく出ております。市川崑監督の初期作品で、世相を斬った風刺ユーモア作品ですが、私には伊藤雄之助さんの独断場に見えたのでした。いよっ、雄之助!