映画全体を貫く淡い質感、色感。その淡さは、度の低い心地いい酩 .. >(続きを読む)[良:1票]
映画全体を貫く淡い質感、色感。その淡さは、度の低い心地いい酩酊感に誘い込む。そして、物語のリアリティーは論理思考外に放り出され、ひたすら花とアリスの“風の舞”に身をまかせ、ほろ酔う。中心に位置する“先輩”の情報量はどこまでもミニマムに、花とアリスはその周りで、嘘と本当、遠慮とエゴ、芝居と現実の間の振幅を舞う。流れる音楽も淡くせつなく。でしゃばり過ぎない伏線が彩りを添え、アリスが自らの意志で踊り出すバレエに冒険心、解放感が与えられる。もしも、記憶喪失になってもこの映画の記憶は忘れたくない、っつって。[良:1票]