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<ネタバレ>よかった。雰囲気あったわ。閉塞感に包まれた国境の町。貧しく希望もないけれど、それでも皆なにかしらの憂さ晴らしを見つけて暮らす底辺の人々。しかし、ちょっとした誤解で殺されたメル。不法移民でここには家族もいないからろくに捜査もされず、内々で処理されてそのままさらりと流されてしまう、まるで虫けらのような死。これを溜息のひとつもついてあっさり忘れてしまう事だって出来る。だけどこの死はそんなつまらないことなのか?そんなの違う!ピートは敢えて強引にマイクを拉致して国境越えの旅に立つ。半分はメルの、もう半分は自分の、人間としての尊厳を守るため。(…って、そう思ったんだよね) ヒメネスまで行く先々の大自然の絶景は時として美しく、また恐ろしく、容赦なく過酷だったりする。それでもピートは何か人生の手応えみたいなもの感じてたんじゃないかな。だからあの盲の老人の「殺してくれ」も突き放したんだと思う。そして高揚感からレイチェルに電話でプロポーズしたのかも。
でも…やっとたどり着いたはずのヒメネスは無かった。メルの帰りを待つはずの家族もいなかった。絶望?それでもピートは奇跡のように写真の場所を探し出す。
そして三度目の埋葬。怒りも恨みも無く、正義でもなんでもなく、友人が人間として生き人間として死ぬことを全うさせたかった…んじゃないかな~と思ったのよ、うん。(今回ものめり込んで観ちゃったな~っと♪)