<ネタバレ>これがこの世の不条理です、さぁいかがですか?皆さん。
と、 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>これがこの世の不条理です、さぁいかがですか?皆さん。
と、一切の偽善や綺麗事を排し私たちに提示してみせた本作。
一人だけ正直に住所を告げたために、一生逃れられない程の心の傷を負うデイブは、ラストでは助かりたい一心でついた嘘が悲劇を招く。
夫を信じることができず最悪の決断を下し、結局は自分と息子を不幸に追いやったデイブの妻と、彼女を嘲笑するかのように見つめるジミーの妻、どちらも同じように愚かだが、二人の運命は決定的に違ってしまった。
そして、これをどう受け取るかはあなたの自由ですよ、と私たち観客に思考を委ねた曖昧な終わらせ方になっている。
もちろんスッキリしないけれど、だからこそいつまでも考え、頭に残すことができる、味わい深い作品ではないかと思う。
(本作を政治映画と捉える方も多く、なるほどなぁと、感心したりしている)
一見地味な作品だけれど、美術は細部にわたって完璧であり、シンプルだけれど大変美しく非常に重厚な映像にも感動した。