「ここを出たらどうするつもりだ?」 「高飛びだ」の場面なかな .. >(続きを読む)
「ここを出たらどうするつもりだ?」 「高飛びだ」の場面なかなかイケてます。 モーリッツ・ブライプトロイの洗練された身のこなしは、カッコよかったです。このような醜態を起こさないためのひとつの方法が、歴史を勉強し、同じ失敗を繰り返さないように心がけることだと思います。これは、宗教以上に強力な善を追求する行動となります。事実の説得力は、神を超えます。つまり、人間の感情は、少なからず人を間違った方向へ導くことがあるので、良心(自分)の声や他人の命令などに左右されず、歴史的事実の集合を分析した上で物事を客観的に判断していくことが、真の善に繋がるのではないか、ということです。こうした行動をとるのは、あらゆる人間関係が複雑に交差する人間社会では難しいですし、そういう判断を自分でしていくには、相当の修練を要するものだと思います。政治家は、これで飯を食っているのだから、しっかりしてもらいたいと思うとともに、真の善とは実は時の経過が教えてくれるという難しさがあり、その時点の世論と反対の判断をした場合、それを押し通していくのは難しく、歴史の失敗は政治家の責任のみではなく、大衆にも少なからず責任があるのではないか、と考えさせられます。そういった意味で大衆の一員である個人一人ひとりが良い判断をしていくことで、大衆による間違いを減らすことができるはずなのです。しかし、個人レベルの判断はないに等しいとされ、多数決により物事が決定されていく現代社会…。民主主義社会は、本当に良いものなのでしょうか、そして本当に良い方向を見定めることができるのでしょうか…。アフリカの原住民社会では、老練の村長により重要なことには判断が下されていきますが、実はこれがベストなのではないか、と…。題材として深い内容を取り上げており、お堅いドイツらしい、戦争で失敗したドイツらしい作品だと思いました。