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<ネタバレ>2005年、最後の最後に素晴らしいものを観させて頂きました。これはもう兎に角美しいとしか言いようがない…。他の作品のレビューでも「美しい」を連発しているけど、この作品に限ってはそれ以外言葉が見つからない。優雅なオープニングから舞踏会での乱舞、灰色のワルツの曲、そして極め付けは主演のマリー・ベルの容姿。てっきりもっと頻繁に舞踏会が出てくる映画かと思いきや、実際は過去に舞踏会で踊った相手の亡霊を探しに行くという(中には本当に亡霊になっている人もいたりして)なかなか倒錯したストーリーではありますが、過去に思いを馳せる登場人物たちの心情が丁寧に描かれていて良かったです。また中盤の『第三の男』を彷彿とさせるような印象的なカメラワークも、その場の不穏な空気を駆り立てていて効果的でした。ラストは一瞬何が起きたのか分からなかったけど、巨匠デュヴィヴィエの卓越した演出センスを感じさせます。9点に近い8点。