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<ネタバレ>とりあえず最初の二作品だけレビューします(というか後のは語れないので)。まずはカウリスマキ、相変わらず焦らず急がずのスタイルで独自のリズムを保ちつつも、10分という限られた時間の中で作品をコンパクトに仕上げた手腕は見事。レニングラード・カウボーイズの短編映画を手掛けているだけあってこの手の話はお手の物でしょうか?ただ主人公が時間までに列車に乗らなければならないという設定上、どうにも駆け足になってしまい観ているこちら側はハラハラ・ドキドキしてゆとりが持てないのがちょっと残念。それに下記の方が仰っているようにあれは絶対10分以上かかっている、反則。客席で硬いか柔らかいか、指輪で婚約か結婚といちいち訊かれる辺りのユーモアは彼らしくて面白い。それからマルコ・ハーヴィスト&ポウタハウカの「Thunder And Lightning」をフルで聴けたのが嬉しかった(「過去のない男」のサントラに入っています)。ファンなのでちょっと贔屓目に見ているけど個人的にはこれが本作でのベスト2です。次いでヴィクトル・エリセ、カウリスマキとは打って変わって10分という短い時間を最大限にまで引き延ばして活用している。「ミツバチのささやき」ばりの郷愁感あふれる映像に、まるで時が止まったかのように穏やかな雰囲気流れる演出はさすが名匠の成せる業。本作品において最も高いクオリティを誇っていると言って良いでしょう。ついでに三本目に好きなのはチェン・カイコーの「夢幻百花」。10分という時間の長さを思い知らされた「イデアの森」とは違って、こちらは基本的に自分の嗜好に合った監督や作品が多いので面白かったです。