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内容はともかく、何ともエキゾチックなタイトルに魅かれる作品。時代的にはベトナム戦争前のサイゴンが舞台。貧富の激しい国では、貧しい家に生まれた者は、子供の頃から金持ちの家の使用人として仕えると言うのは特に珍しい事ではない。ほとんどの場合、結婚するまで、運が悪ければ(未亡人になったり、離婚したりすれば)、一生、使用人として人生を終えることになる。教養を身につける余裕も無いし、またその必要も無い。それが当たり前の人生だから、別段自分を不幸だと思うことも無い。この映画の主人公の少女は、たまたま良い奉公先に恵まれ、器量が良く勤勉でもあったので、初恋の裕福な青年と結ばれることになる。一種のシンデレラストーリーと言えなくもないのだが、ストーリー性はほとんど無い。それよりも映像や雰囲気を感じる映画。「青いパパイヤの香り」と言う、タイトルもそうだが、ベトナムの庶民が見れば、この映画から郷愁や日常の記憶など、いろいろな面で心の琴線に触れることも多いのかも知れない。