壮大で美しい映像だけでも圧巻だが、主人公の不倫関係がそこまで .. >(続きを読む)
壮大で美しい映像だけでも圧巻だが、主人公の不倫関係がそこまでに至る経緯とともに丹念に描かれている。緊迫感があり、とてもエロティック。女優も美しい。良くできているのでそこに印象が強く残ってしまうが、それがこの映画のテーマでは無いだろう。むしろ、身勝手でニヒリスト、他人とのコミュニケーション能力の欠ける「ダメな男」が周囲の人々を不幸に巻き込み、自らも滅んで行く救いようの無い姿から、人の愚かさと悲しさを痛烈に語っている。彼を看護する善意に満ちた看護婦や、彼の命を付け狙いながらも彼を許す男は彼のアンチテーゼのような存在か。人を愛するということはどういう事なのか、改めて考えさせられる作品。