即席で作られたにしては、よく出来ていると思います。画面を躍動 .. >(続きを読む)[良:1票]
即席で作られたにしては、よく出来ていると思います。画面を躍動するマイケルも既にこの世にはいないことを想うと、その事実だけでこの作品にも意義があると言えるでしょう。彼の叶わなかった夢のステージの断片として、この作品は優れたドキュメンタリーだと思えます。
リハーサルのみの映像ですが、僕らはマイケルが今でも一流のエンターテイナーであったことを、今までもずっとそう在り続けていたであろうことを改めて認識できたのではないでしょうか。だからこそ、'This Is It' は、彼の最後のコマーシャル作品として商業的にも成功してほしいし、彼にとってエンターテイナーとしての最後の証であってもいいのだと思います。細かい構成の云々よりも、死の直前にして、50歳にして、僕らを感動させるマイケル・ジャクソンの生き様を感じられたこと、それは彼の歌であり、ダンスであり、ステージングであり、彼の躍動であったことを、、僕は素直に称えたいと思います。
余談ですが、僕は『スリラー』ドンピシャのアラフォー世代ですけど、当時、スーパースターだったマイケル・ジャクソンのことを実はあまり好きではありませんでした。それはおそらく彼の姿が必要以上に煌びやかで、あまりにも作り込まれた「虚像」という印象が強かったからだと思います。しかし、スーパースターというのはそもそも作られるものですし、幻想です。それはまたマスイメージ故に簡単に覆るものです。ここ10年程の不遇の時代を経て、マイケル・ジャクソンという幻想はすっかり地に落ちたと思われました。しかし、彼は天才でした。彼の天才は、彼を取り巻くあらゆる負のイメージを超えて、彼を一流のエンターテイナーと誰もが認めるに十分なタレントだったのです。この作品はそのことをよく伝えます。それだけでもマイケルにとって大きな意義と価値のある作品なのだと僕は思います。そして、様々なことを抱え、乗り越え、失い、それでも昔と全く変わらない「愛と平和」を歌うマイケルのことを今では素直に尊敬します。ピース。[良:1票]