この映画は声優の仕事が素晴らしい。パズーやシータはもちろんで .. >(続きを読む)[良:1票]
この映画は声優の仕事が素晴らしい。パズーやシータはもちろんですが、「ムスカと寺田農」、「ドーラと初井言栄」の一体感は特筆すべき素晴らしさで、まるで本当に絵から声が出ているかのようです。彼らは舞台や映像で豊富な演技経験を積んだ「俳優」です。
最近のアニメ作品ではテレビ俳優や有名タレントを多く起用していて、私はこれがとても嫌いでした。顔も声も知りすぎていて、上演の間中顔がちらついて邪魔でしょうがないのです。だから声優を使えよ、なんて思っていたのですが、最近のアニメを観るにつけ、なぜ声優が起用されないのかちょっとわかる気がしてきました。多くの声優(とくに若手)の演技が声の演技「だけ」に特化しすぎて、リアリティを失っているように思えるのです。声に絵と同様の身体状態がまるで伴っていない。これまでの声の演技を踏襲し続けた「いかにもアニメらしい声」というある路線が確立されていて、人間というよりアニメキャラというまったく別の生き物のようなのです(そういうのが好きな人もいると思いますが)。そういう意味で、身体を使って演技できる、普通の声が出せる「俳優」を声優として起用する最近の風潮は、あながちわからんでもないなーなんてこのごろは思っています。まあ、宣伝のためもあるんでしょうが。そして俳優として全然良くもないただの客寄せパンダタレントの起用なんて論外なわけですが。
どの仕事にも言えることですが、良いアニメは演出・脚本・作画・声など全てのスタッフが力を出し切ってこそだと思っています。この作品はどれも素晴らしかった。今でも私にとって、カリオストロと並ぶNo.1宮崎作品です。[良:1票]