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物語の導入部分(前半)は登場人物像がそれぞれ分かりにくい上に、テンポも良くなく、妙に長く感じて眠気に襲われ「これで2時間半近くの間、ちゃんと寝ずに鑑賞できるのか?」とまで思ったほどでした。大恐慌時代の影響でそれぞれ大切なものを失った3人の男たちが一頭の馬、シービスケットを通じて再生していく姿には、観ている俺にも物語が進む度に深く感情移入していきました。キャストの演技や音楽が素晴らしいのはもちろんの事、レース中での撮影手法にも本気で驚かされました。騎手目線やスピード感溢れる横からのカメラワークは今まで見たことが無く、鳥肌が立ちました。ただの感動系映画なら絶対誰かを死なせてまで感動させようとするけれど、この映画に至ってはそんな演出は無くともここまで目頭が熱くなるような素晴らしい物語に仕上がる事が出来るんだって事を見事に証明してくれました(っていうかこの映画での出来事が実話って事が1番凄い!)誰にでもこの映画での登場人物のように挫折や絶望が訪れるかもしれない。けど、決してそこで気を落とし消極的にならず、常に顔を上げて前向きに生きなければならないと俺はこの映画に強く教わった気がします。最初にも言ったように前半の出来が少しイマイチだったのが、ヒジョーに惜しいところですが、そこを差し置いてもオスカー7部門ノミネートは十分納得の結果だと思います。(でも出来れば1部門ぐらい受賞して欲しかった気も・・・)