<ネタバレ>80年代の匂いがするんだけど、意外に新しい作品(笑)。
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<ネタバレ>80年代の匂いがするんだけど、意外に新しい作品(笑)。
それはともかく、内容としては「中途半端」という感じ。作品内作品が現実化したり、作品内人物が、その世界の虚構性に気付く、と言った自己言及的な入れ子構造は魅力的ではあるものの、イマイチまとめ切れていない。
小説「マウス・オブ・マッドネス」が現実世界に影響を及ぼすという設定とは別に、作品内における「現実世界」「作品世界」「精神世界」「境界世界」「幻覚」などの定義や表現の仕方が曖昧で、その場の感覚だけで適当に使い分けているように思われる。この辺はきちんと分けて表現しておかないと、そもそも一番見せるべき「境界(認知)の揺らぎ」を感じられなくなってしまう。
また、モンスターの存在が露骨過ぎて、現実と虚構の入れ替わりによる恐怖感より、怪物に襲われる恐怖感の方に意識が行ってしまうのも問題。