バーチャルリアリティネタという地点で、今や見る側にある程度の .. >(続きを読む)
バーチャルリアリティネタという地点で、今や見る側にある程度の耐性が付いているので(現実と非現実が交錯することの酩酊感や不安感、自分の世界がニセモノだったオチ、さらにその上にも世界が無限に重なるオチetc...)、いかにワンパターンな展開にしないかが、この手の作品の肝だと思うが、やはり既存のパターンからの脱却は難しかったようだ。細部の矛盾点や説明不足とも相まって、インパクトに欠ける。特に気になったのは、上位の人格が入り込むと、それまでの人格はその間どうしているのかという点。もう少し「人格の入れ替わりによるミステリー」という点で特化してくれたら面白くなったかも。哲学的考察がしたいのか、ミステリーがしたいのか、恋愛ドラマがしたいのか、どれをとっても微妙に中途半端。役者さんの演技力は素晴らしいだけに残念。