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オリバー・ストーンの偏ったキャラクター造形がスポ根によくはまるというのは盲点であった。こういういかれた男たちのギラギラした熱い世界を描かせたら右に出るものはいない。マイケル・マンのナルシシズムと生真面目さは観ていて疲れることも多いが、ストーン監督のある種投げやりな明るさと単純さは実に爽快である。「ウォール街」のアメフト版がつまらないわけがない。感傷を徹底的に排したスポーツビジネスの裏側と若者の成長物語は、感動というより痛快という言葉が似合う。「ニクソン」や「アレキサンダー」など(未見だが)のシリアスな大作が失敗するのを見ると、本作のような作品をもっと撮ればいいのにと思うのだが。本来品のない人間が、重厚な人間ドラマに挑むのが間違いの元だ。しかし結局本作で一番評価すべきなのは、試合シーンの編集と音楽かもしれない。トリッピーでトリッキーな編集には昔から定評がある。「JFK」「ナチュラル・ボーン・キラーズ」「ウォール街」しかり。ジェイミー・フォックスが出演していたとは知らなかった。