当時流行りの飛行機ものと、大統領ものをミックスして、エアフォ .. >(続きを読む)
当時流行りの飛行機ものと、大統領ものをミックスして、エアフォース・ワンを引っ張り出したアイデアは、微笑ましくも感心する。ほんとによくいろいろ考えるものだ。しかしこの監督にしては安っぽいと言うべきか、それともよくぞここまでまとめあげたと言うべきか、迷うところではある。大統領がテロリストと取っ組み合って、ハッチの縁にぶら下がって、その後ろで飛行機がドッカーンと爆発炎上してと、怒涛の展開と、暴走するヒロイズムで、一歩間違えればギャグにしかならないところを、ぎりぎりのところで踏みとどまっているのは見事としかいいようがない。この点はやはり斜に構えず、正面切って作品に挑んだキャストとスタッフの実力によるのであろう。にもかかわらず、この緊迫感の欠如は如何ともしがたい。特に後半の詰めの甘さと、安っぽいCGには萎える。トム・クランシー原作映画でジャック・ライアンを演じていたハリソン君であるが、小説の方では、本当に大統領になっているのだ。そういうわけで、ライアンが大統領になったような気がして、途中で訳がわからなくなった。グレン・クローズがサインを拒否するシーンがいいですね。「CSIラスベガス」のブラス警部が大活躍してるし。911以降では、こんなお気楽な作品はもう製作不能であろう。そう思うと郷愁すら感じる。