現在と過去を同時進行させながら物語の全体像を次第に明らかにし .. >(続きを読む)
現在と過去を同時進行させながら物語の全体像を次第に明らかにしていくという難しい構成を上手く纏め上げた手腕は中々のもの。普段は心の奥底に忘れ去られている青春時代の甘酸っぱい記憶が、ある時鮮明に甦り心が癒されることがある。それは何故か良い思い出よりも失敗や苦しみ、傷心の想いの方が印象の強いものが多いのです。そして観る者をタイムマシンに乗せそれぞれの過去の恋愛を再体験させてくれるような色調とテンポがとてもよい。こういった点で森山未來よりも大沢たかお演じるサクの年代以上の人が観ればより感じる物があるのではないでしょうか。17年前の彼女の遺灰を撒きに付いて来た律子がかわいそうだ。オーストラリアまで来てサクは誰に対する愛を叫ぶつもりだ。今は律子だろ。