ブラジルに実在する「シティ・オブ・ゴッド(神の街)」と呼ばれ .. >(続きを読む)
ブラジルに実在する「シティ・オブ・ゴッド(神の街)」と呼ばれるスラム街を描いた作品。原作は11歳でシティ・オブ・ゴッドに移住し、その暮らしを経験したパウロ・リンス。演じているのは実際にスラムで暮らす子供達である。蔓延する暴力とドラッグの当事者はみんな10代やそれ以下の子供達で、邪魔者とあれば簡単に銃で撃ち殺してしまう。その無邪気さ、命の軽さに背筋が凍る思いがした。カメラマンを夢見てスラムから脱出できた少年「ブスカペ」のような例は相当運が良いのだろう。犯罪が日常となっている彼らが想像できる将来の選択肢は極端に少なく、その頂点がギャングのボスなのだ。しかし内容のハードさとは対照的にその映像はスタイリッシュで、どこかユーモラス。サントラが本国で大ヒットしたというのも頷ける(実際私も買ってしまった)素晴らしい音楽と共に作品全体に独特のリズム感を与えている。非常にパワーある映画だ。