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監督のペドロ・コスタがリスボンのスラム街に2年間住み込んで、彼の前作の出演者だったヴァンダ・ドゥアルテとその家族の暮らしを撮ったドキュメンタリー。日がな一日薄暗い部屋の汚いベッドの上でヘロインだかコカインだかを吸引するヴァンダ。スラムに住む無気力な人々。強盗でもやらかす方がまだ人間らしい。世界にはホントに色んな地獄があるもんだ。そしてその映像が表現する構図、柔らかい光と柔らかい影はまるで絵画のような美しさがある。しかしですよ、例えば旅に出たり戦ったり指輪捨てたりの3時間でもいい加減うんざりするのに、ドラッグキメてる様子がメインの何でもない日常を3時間も見るのは正直言って拷問ですよ。「あとどの位で終わるんだろう、もう限界だ」と時計を見たら(映画館でそんなことしたのは生まれて初めてだ)まだ30分あった時のあの絶望感!とは言えチラシには「ペドロ・コスタのようにフリッツ・ラングや溝口のような画面を撮れる人は他にいない。『ヴァンダの部屋』の光のきらめきをみつめていると、“小津”の映画を思い浮かべるージャン=マリー・ストローブー」と書いてあったから、前衛とかオッケーで知的持久力に自信のある方はチャレンジしてみてください。[良:1票]