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片岡千恵蔵や嵐山寛寿郎といった往年の時代劇役者は流石に立居振舞いが決まっているね。なるほどこうして見ると、最近の時代劇ドラマは軽い軽い・・・。<ネタバレちょっとあり>ところで、本作の見所は最後の宿場街を舞台にした集団暗殺シーンということだが、これはなかなか見ものでした。と言うのも、てっきり格好のいいチャンバラシーンが出てくるものと思っていたのが、まるでそのような場面がないんですね。宿場街ごとトラップ要塞化して、石は投げるわ、棒でつつくわ、もはや武士の美学なんぞあったもんじゃぁない。気勢をあげて押すかと思えば次の一瞬には引いて、追ってきた敵を陰から刺し殺すといった様は、殺戮の実相を見事に暴いている。「武士とはこうあるべきもの」とか「剣の奥義を極める」等々、前半のシーンでやたら武士としての建前に拘っていた西村晃演じる浪人が、いざ実戦の場で最後にのたうつようにして逃げ回り惨めな死に様を晒すあたり、工藤栄一監督のシニカルな側面が伺える。[良:4票]