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<ネタバレ>若年層向け風な作りだがこの「高次脳機能障害(記憶障害)」という物があると知らせる為にも作った価値は大いにある。 この作品の主人公は同じ障害のある方の中では相当ラッキーな部類だろう。喋ったり動いたり人並みに出来ない程の障害を受けてしまった方々はたくさんおられる。医療の進歩により命は助かったが…というパターンだそうだが、それをも治す、回復させる、というコトが出来るようになるんだろうか?社会的にも問題になって来ており、力を入れて取り組んで欲しいところだが、まだかなりの時間が掛かりそうだ。ひょっとしたら無理な問題なのかもしれないが、本人にも周りの人にも命を落とす方とどちらが良いのだろう?と考えると答えが見つからない…。 この主人公は「新しい事を覚えられない」。それにより毎日目覚めるたびに恐怖を感じ絶望し、苛酷な現実を受け入れ、ゼロから始まる不安でかなりの勇気が必要な日々を送っている。その描写も演出が巧みで分かりやすい。「日記を見ろ」という張り紙、「明日の僕へ」という分厚い日記。記憶が無いというのはとても苦痛だろう。しかし入部したプロレス研究会の仲間達との出来事を綴った日記や一緒に収まったポラロイド写真が自分を奮い立たせているんだろうな。 生きていてもしょうが無いと思っていた中で出合った学生プロレス。試合やトレーニングで出来た筋肉痛や傷で生きている、という実感を得る事が出来た嬉しさや喜びは、佐藤隆太演じる五十嵐の屈託の無い満面の笑みを見れば良く分かる。 レッドタイフーンの台詞である「自分の記憶に残らなくても、みんなの記憶に刻んでやれよ」。五十嵐の試合は多くの人の記憶に刻まれたことだろう。 デビルドクロはコスチュームが蝶野なのに、困った時や素の時は顔が永田に似ててそれだけで面白かった。学生プロレスのお約束的なコミカルなお笑い、実況や解説のノリの良さは上手く出ていたけど、実際の学生プロレスの方は最近はどうなんだろう。学プロ上がりのプロレスラーは結構いるけど、色んなプロレスラーモドキがいたっけ。コッペパン・ベイダーとか何してんだろうなぁ。[良:1票]