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<ネタバレ>人間界の渋谷からバケモノが棲む中華風の渋天街へ入る導入部は『千と千尋の神隠し』の焼き直しにしか見えなかったし、終盤の人間の闇ってのは『ゲド戦記』を思い起こさせた。序盤はツンデレで豪快な性格の熊徹と、冷めた性格ながら子供らしい純粋さを持つ九太のデコボコ師弟コンビっぷりが面白く、コミカルさもありお互いの成長物語的で良かったが、中盤以降、九太が青年になってからがはガラッと雰囲気が変わって、九太はさらに刺々しく冷めた人間になって葛藤してるわ、無駄に恋愛要素も絡めてくるわ、最後には意味不明な鯨が出るわで「うーん」な感じ。熊徹と九太の親子成長物語でまとめときゃまだ良かったものの、いてもいなくても問題ないヒロインを登場させ、人間界でもバケモノ界でも迫力ゼロの中途半端なバトルと色々な要素を入れようと欲張りすぎた結果、非常に中途半端で散漫なモノになってしまった感がありますね。最後は人間の世界でもバケモノの世界でも人間が問題を起こしてて、その暴れた張本人の顛末はスルーしといてヒロインや人間の親父とすべて丸く収まったって体なのも違和感があった。バケモノのみなさんは寛大なお心をお持ちのようで。そもそも、宗師とかいう何でも見透かした気になってる無能なウサギが問題で、奴がバケモノの世界の統治者らしく有能であれば嫉妬からくる一郎彦の暴走も未然に処理し、どうみてもカウントアウトしてたのになぜか勝利し宗師となった熊徹も剣に転生せずに済んだ話だな。 熊徹の選択のした「心の剣になって一緒にいる」というのも悪くないけど、付喪神になってまで剣にならなくてもいいんじゃないか?と思った。ブータン国王は「みんなの心の中に竜が住んでいて、経験や知識を餌にしてどんどん育ち強くなります」と仰ってましたが、そんな方向で良かった気がする。細田監督はジブリ同様に芸能人を使いまくりで、今回も多数の人が声を当ててますが総じてお上手でした。ヒロイン役の広瀬すずはセンスがあってビックリ。収獲はそれだけ。