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<ネタバレ>今回はヒーローvs敵ではなく、様々な危機を救うも各地に甚大な被害をもたらしているという難しくも現実的なヒーロー映画の先といえるお話。チームへ資金を出し管理運営をしつつ各国との調整や補償など政治面でも大きくバックアップして矢面に立ってきたであろうトニー。ポッツも失い精神的にも拠り所も無く、前作「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」で大きな失敗をしたため疲弊しきっている彼が政府のヒーロー管理案に乗るのも分かる。それに異を唱え自らの行動は自らが責任を取るべきと考える、正義に関して強い信念を持った高潔なキャップの意見も一理ある。「キャプテン・アメリカ/ウインター・ソルジャー」での味方組織に裏切られ全て敵になるという体験も加味されているんだろう。そこにヒドラに洗脳され暗殺者として活動してきたキャップの旧友バッキーが絡んでチームの亀裂がどんどん大きくなっていく流れ。図式期には型にハメようとするトニー(親父)vs自由でいたいキャップ(子供)だけど単純に解決させないのがさすがマーベルという感じだった。厳しく辛い話で悲壮感に苛まされそうになると合間に挟まれるユーモアのあるシーンで緊張が解けたかな。アクションやドラマのバランス感覚が良く緩急が上手く出来ている。トニーは様々な思いがあるだろうけど最後のキャップの手紙で救われたかな。 「マーベル・シネマティック・ユニバース」は長い時間をかけ丹念に作り上げてきただけに他の追随を許さないレベルに仕上がってきている。今回新登場のスパイダーマンやブラック・パンサーも違和感なく溶け込んでいていて単独映画や集合映画がますます楽しみになった。アクションやギミックは言うまでもないが、数多くのヒーローが出ているものの誰一人埋没することなくスポットを当て描き切れているのは、ネタ振り効果とキャラクターの心情も丁寧にしている脚本や演出の上手さなんだろう。ただ、トニーの悲壮感を増そうと思ったのか分からないけど妙にキャップとバッキーは強すぎたな。アイアンマン・スーツをなんなく握り潰して壊したりしてるのは力量的にヤリ過ぎ。多くの映画でもそうだけど明らかに能力差があっても簡単に吹っ飛んだりするワンパターンな描写は控えた方がいいと思う。マーベルなら出来るはず。[良:1票]