あの兄弟たち、特に父親の死をきっかけに心を閉ざした少年との交 .. >(続きを読む)
あの兄弟たち、特に父親の死をきっかけに心を閉ざした少年との交流によって、ネバーランドの物語を書いたバリ。いつまでも子どもの心を持ちつづけて、ピーターパンやフック船長や時計を飲み込んだワニなんかの愉快なキャラクターを生み出した彼が素晴らしい人だと思えた。その一方で、あの兄弟の長男、同じく父親を亡くしたけど常にシャンとしていて弱気なところを見せず、母親や弟たちを支えようという責任感を持った彼は、すでに子どもじゃなく大人だったのが、なにか印象的でした。それから、劇中劇でピーターパンを演じていた女の子も、劇場では観客、ラストではあの一家の母親をネバーランドへいざなうという重要な役目を担っていて、少なくともこの映画の中でのあのピーターパンは、しっかりした大人の案内人という感じがした。演じていたのも落ち着いた人だったし(^^「子どもの心を忘れなければ、誰でもネバーランドに行ける」というこの映画のテーマは、主にバリとピーター少年に限られて当てはまるのかなと若干感じました。それよりも、心を閉ざした子も、周りの事情で本来の自分をさらけ出せない子でも、どんな子どもも、そう願うのなら大人でも、ネバーランドへ行ける能力をみなが持っている、というテーマで描いてくれていたら、なお良かったなと思いました。