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<ネタバレ>尊大な作家と作家の妻の愛人、奇妙な大邸宅内で繰り広げられる男と男の“淫靡”な闘い。
この奇抜な会話劇を織りなす上で、ジュード・ロウ×マイケル・ケインという二人の英国俳優は、それぞれに妖しさと美しさを秘めていてこれ以上ないほど適役だったと思う。
ケネス・ブラナー監督らしい「文体」を意識した映像世界の演出も冴え渡り、会話が頭に流れ込むように展開され、登場人物らの攻防を同じ部屋で目の当たりにしているような感覚を覚えた。
二人の男が発するそれぞれの言動に対し、何が真意なのか、何が虚偽なのか、というまとわりつく“靄”のような雰囲気に終始やきもきしながら、たっぷりに余韻を残すその映画世界を存分に楽しめた。
久しぶりに、ジュード・ロウの変質的な演技を見れたことも満足。