前作「生命の泉」から7年も経っていることに唖然とする。そして .. >(続きを読む)
前作「生命の泉」から7年も経っていることに唖然とする。そして、7年も間を空けた上で、前作の流れを引き継ぐわけでもなく、まるでシリーズ第一作目かのようなベタな焼き直し的ストーリーを展開したのは如何なものか。
もはや忘却の彼方だったが、前作で新登場したペネロペ・クルス演じる女海賊アンジェリカが、引き続き登場する流れだった筈だが、この最新作では触れられもしなかった。
敵役として、二番煎じ、三番煎じなキャラクターをハビエル・バルデムに演じさせるくらいなら、妖艶な女海賊と対峙する様をしっかりと描いてほしかった。まあ7年も間が空いてしまった時点で、ペネロペ側としてもNGだったのだろうけれど。
キャストを一新した“リブート”だと言うのならば、まだ理解は出来よう。だが、ジョニー・デップに頼り切りの製作陣からはそんな考えは毛頭あり得なかったようだ。
であるならば、新世代を主軸に据えた新展開を繰り広げれば良かったのではないかと思う。
ウィル・ターナーの息子を主人公にして、新世代の新キャラクターを活躍させつつ、随所でジャック・スパロウやキャプテン・バルボッサの存在感を際立たせる「エピソード7」的なアプローチが展開できたならば、シリーズ全体の魅力を昇華させる新作になり得た筈だ。
オーランド・ブルーム演じるウィル・ターナーを海の底から復活させて、更なる続編を目論んでいるようだが期待は出来まい。
おそらくは、ひたすらに繰り返されるプロットで、ジャック・スパロウがバタバタと暴れまわるのだろう。それを観たいファンが喜んでいるのならば、もはや何も言うまい。
そして、海に沈んだくらいであのバルボッサが死んだとは、誰も信じていまい。