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超人勢揃いの娯楽映画を何故こんなにも陰気に描き出すのか?”
“どうしてこんなタフさだけが売りの荒々しい爪男が主人公なんだ?”
というのが、初めてこの映画を観た時の感想だった。
原作コミックの持つ世界観や諸々の設定を情報としてまったく知らなかったので、表面的な娯楽性の乏しさに不満が先行し、個人的に駄作というレッテルを貼ってしまっていた。
しかし、映画シリーズにおける“新章”と言える「ファースト・ジェネレーション」「フューチャー&パスト」、そして“爪男”の出自を描いた「ウルヴァリン」を見終えて、すっかりこのアメコミシリーズのファンとなってしまった今となっては、かつて駄作と決めつけた今作の印象も一転した。
特に今作の場合、スピンオフ作の「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」と連なる描写が多々あり、ようやく今作におけるヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンの主人公性が理解できた。(ストライカー大佐のビジュアルが違いすぎるのはいただけないが……)
アメリカン・コミック映画に総じて言えることだが、原作コミックには日本の漫画とはまたひと味違った“深み”があるんだろうと思う。「X-MEN」はもとより、「スパイダーマン」も「バットマン」も原作を一通り読んでみたいものだ。