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ビデオで見た。期待してなかったけど、なかなかいいじゃないの。ああ、キャプラをやりたいんだなとよくわかる。すべてがお決まりの映画だけど、いま一番ないのがこの手の映画。こういう映画が作られなくなったからハリウッド映画も質が落ちたんだと思う。ジム・キャリーいいね。久々にぶっ飛んだ演技を見せてくれるけど、素顔はすごくシャイで照れ屋さんなんだろうなと思う。キレタ演技にも、そんな人柄の良さが出ちゃうところが、逆にこの人の魅力でもあるんだろうな。だからシリアスな映画に出ても、違和感を感じさせないんじゃないかな。神様に扮するモーガン・フリーマンも貫禄あって、本当にこの人はよいです。平凡な人間が神の力を得たら、こうなるんじゃないの?って、ちゃんと我々人間の下世話さを笑いで見せてくれるところは、ハートウォームな中にも人間をちゃんと描いていたキャプラタッチを、それなりにちゃんと受け継いでいる。最後に、愛する彼女を取り戻せなくていいから、彼女に幸せになってほしいと神に告白するところは、ちょいジ~ンと来ますね。日常の何気ない親切や、思いやり、そして地道に働くことが、奇跡なのだという慎ましいメッセージにも好感が持てる。こういう幸福観なら、どこの国の人が見てもわかるんじゃないの?大嫌いだったアンカーマンに自分から謝って仲直りするところもいい。エンドロールのNG集も何か新鮮だった。ジム・キャリーを見てると、この作品でもそうだし「マスク」でもそうだけど、ハロルド・ロイドやジェイムス・スチュアートのような、アメリカ人が好む人物像を、ちゃんと継承してるように思う。この人は、息の長い活躍をして、もっと年取って御爺ちゃんになったら、すごくいい俳優になって、アメリカ映画の良心みたいな人になるんじゃないかな。変にショービジネスの垢に染まって欲しくない人ですね。というわけで、期待してなかったけど、拾い物でした。