宮崎ファンの間では「ナウシカ派」と「ラピュタ派」に分かれるそ .. >(続きを読む)
宮崎ファンの間では「ナウシカ派」と「ラピュタ派」に分かれるそうで、もっとも何を根拠にそうゆう区分になっているのかは不明なのですが、どちらが好きかと聞かれたら、自分は明らかに「ラピュタ」の方かな。アニメーションの技巧についてはよく分からない事だらけなのですが、十分楽しめる仕上がりです。多くの人にお勧めできます。ワクワクドキドキで目が離せない展開は第一級の活劇アニメとして確固たる地位を占めていることを十分納得させてくれるものですし、テーマも解りやすくてストレート。到底反論できる余地はないです。この頃の宮崎アニメは余韻に乏しいところがあるものの、かなり気風がいいですよね。あれやこれやと詰め込み過ぎてないところがいいです。深みに乏しいと言ってしまえばそれまでなんでしょうが。ただ、この映画は自分にとって、完全に「恋愛ドラマ」。テーマそっちのけで、少年バズーと少女シータとの恋愛ドラマに気持ちが行ってしまいました。この二人のやり取りは大変奥ゆかしく、実際のところ、かなりノスタルジックな思いにかられてしまい、感動しきりでした。夜中に見張りについたバズーの後をこっそり追いかけるシータ。それを見守る大人たち。いつまでもこの二人の優しさにあふれたやり取りを観ていたい。映画が終わっても、またいつかこの二人に会いたい。そんな思いがしました。この映画の中には完全にロマニズムの要素があります。すでに青春時代を終えている自分にとってはこれがどうしようもないノスタルジックな思いへと変貌して胸が締め付けられる思いがしました。彼等が羨ましかったのかも知れません。あるいは嫉妬心なんでしょうか。まさか。でも、これは確かな思いです。こうゆう見方が正しかったのかどうかは解りませんが、何はともあれここまで引き込まれてしまっては傑作としないわけにはいかないです。