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我慢できない状態になった。その状態を間接的に表現するならば、うとうと・・・。すやすや・・・(禁句だからストレートには表現しない) とにかく意識がもうろうとしてきた。私は果たして映画を観ていたのだろうか?それとも夢を見ていたのだろうか? 映画が始まって最初の15分くらいは台詞がなかったので、もしかしてこれはサイレント映画か?と、びびってしまいました。 登場人物は、おじいちゃんとおばあちゃん。 動きが信じられないくらいにスローであり、強制的に観客を眠りの世界へと引きずり込もうとする。この時点でわれわれ観客は、老人と同様に夢と現実の世界を彷徨する羽目になる。もしこれが監督の意図したものであるならば大したものである。 本作は、死に場所探しの物語だと思う。普通は、愛する人達に看取られて死にたいと考える人が多いかもしれない。しかし本作は、死に場所に、こだわっている。老人たちの死は、まるで死期を悟った象が、ひっそりと誰も見られぬ場所に行って息を引き取るのと似たような印象をもつ。そこに恐ろしい孤独を感じる。人はどれほど友人や愛する家族が存在していても死ぬ時は1人なのである。[良:1票]