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<ネタバレ>無機質な町でした。あえて海や緑の映像を撮らなかったことが一層、閉鎖感を漂わせている。そんな町の中を、頭のボケた老人が徘徊する映像は、どれほど好意的に見ようとしても、重い気持ちになってしまいます。末期がん、不倫、児童虐待、老人痴呆、ワーキングプアなど、ありとあらゆる不幸が凝縮された幕の内弁当のような映画でした。「不幸」の大バーゲンに、いさかか疲れを感じてしまいます。大場は50歳独身女。「よし」と気合をいれて登る坂道は、60歳になればもう登れないでしょう。そうなると牛乳配達をやめ、スーパーのレジ打ちの仕事に専念するのでしょうか?しかしセクハラ店長が、年老いた大場を見限り、若い女店員に切り替えるかもしれない。いつ失業してもおかしくはない。未婚なので頼れる息子もいない。たった1人になった大場が老境を迎えたとき、どうやって生きていくのだろうか。自宅で孤独死することも充分ある。キャッチコピーは純愛映画ということになっている。しかし内容は「反純愛映画」です。なかなか結婚してくれない独身娘を心配する親がいるならば、是非この映画を娘に見させて欲しい。そしてこう言うのです。「純愛を貫くのもいいけど、大場美奈子のようになるぞ!」・・・・・・・早く嫁にいってくれるかもしれません。