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<ネタバレ>「殺人の追憶」は、セピア色の映像で独特の世界観を作り上げましたが、この映画はまさにブルー。とても心地いいブルーです。 この映画を観てふっと「乞食と王様」を思い出しました。 アウトローの生き方に憧れる平凡な元学校の先生は乞食に憧れる王様のように見えました。 しかしそれも仕方ないかもしれない。 彼は自分があと数日で死ぬかもしれないと思い始めたとき、今までの自分の人生に疑問を持ち始めたのだと思う。それが手術を控えたジャン・ロシュフォールの演技から切実に伝わってきました。 たぶん死を前にしたときの人間は自分の過去を振り返り、疑問や後悔やいろいろな思いがあふれてくるのだと思う。姉に対しての行動もその1つだと思う。 みっともないようにも思えるがそれが人間の本当の姿のようにも思える。 「列車」というのはもちろん「人生」の比喩のことを指しています。 ラストは「生まれ変わった」ということを言いたかったのでしょう。 生まれ変わってこれからあの死んだ男のような人生を送るということを暗示しているように見えました。その是非はともかく、後悔のない人生を送りたいものですね。 印象に残ったのはこのカッコいい2人の男は1人ぼっちで死にました(1人は生き返りましたが)。それをみて、どんな人生を送るにせよ、1人ぼっちで死にたくはないな、と・・・それだけは強く思いましたね。 面白い映画ですよ、これは。いったい自分はどういう最後を迎えるのか久しぶりに深く考えてしまいました。