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<ネタバレ>でっかいアイスクリーム(イタリアだからジェラートか)を口のまわりにベタベタつけて歩くマルチェロ・マストロヤンニとジャック・レモン。何か、頭のネジがゆるんで、ハイになっているような状態なんですが、若い頃のいろいろと忘れていたこと、失われた時間を取り戻すための大切な行事のひとつなんでしょうね。そんないい場面なのに、罰当たりな私は「X卿が!!!!(爆笑)」(『あなただけ今晩は』参照)と笑ってしまった……。それはともかく、「ありえねーー」っていう作り話をどんどん作っていくマストロヤンニと、それを信じる(信じてあげる)周りの人、そして超現実派だったジャック・レモンまでもが、作り話をする。温かい、友人のため、自分のための「作り話」を私は応援したい。すごく『ビッグ・フィッシュ』に通じる映画です。予定を早めてアメリカに帰るというジャック・レモンに対し、マストロヤンニは「見送りにいくよ」。そしてレモンは「(来なくても)いいよ」と言う。なのに翌朝、レモンはずーーっとマストロヤンニを待っている。そして、マストロヤンニが来ないとわかった瞬間、今度は自分が飛行機をキャンセル。マストロヤンニの一大事と、彼の家に行くのです。すごい信頼関係。実際、自分が来なくていいよと言ったんだから、見送りに来ていなくてもなんにも気にしないし、ただ来られなかっただけと思うものなのに、あの緊迫感、信頼感は本当に素晴らしいです。